グラフィックデザイナーとイラストレーターは別物
「グラフィックデザイナー=イラストレーター」あるいは「グラフィックデザイナーはみんなイラストが描ける」と思っているクライアントの方は結構多いと思います。
たしかにデザイナーとイラストレーター両方をこなす方も中にはいますが、実際のところ仕事上の観点でいえばグラフィックデザイナーとイラストレーターという職業はまったく別物となります。
グラフィックデザイナーは雑誌・広告など各媒体の目的に応じたデザイン全体の制作を手掛け、イラストレーターはイラストを描くことに特化したものが主な業務内容となります。そのため基本的にデザイナーは仕事の中でイラストを使用する場合は別途イラストレーターに発注、あるいは有料/無料の素材など駆使してデザインを仕上げます。(※無料素材の著作権に関してはしっかりと把握して使用しましょう)
その際に自身でイラストを手掛けるといったデザイナーもいますが、きちんとプロのイラストレーターに頼んだり有料素材を使用する場合がほとんどです。
逆にイラストレーターがデザインも行うといったこともありますが、どちらの場合もやはり「餅は餅屋」それぞれのプロとして責任を負って請けれる範疇でしか行いませんし、そうあるべきだと思います。
絵が下手でもデザインはできる
グラフィックデザイナーとしてデザインする上で最も重要なのは、クライアントの要望に応え抱えている問題を解決するという部分にあります。そのため「デザインをする」という意味をしっかりと理解・把握できる能力が必要になります。
そのため絵が上手に描けるといった方でもこの部分が分かっていなかったり、クライアントの要望や求めているものを理解し解決できないというのであれば、デザイナーとしては不適格といえるでしょう。
反対に絵が下手でもこの部分をしっかりと理解しクライアントの抱えている問題を的確に解決ができる、そういった方はデザイナーとしての素質は十分にあります。
ただし絵が下手なのと「描けない」とでは少し意味も変わってきますので注意が必要です。
一般的にプロレベルと認知される絵を描く必要はありませんが、デザイン制作におけるラフ提案やアイデアを出すシーンなどではイラストで表現したり相手に伝える手段として用いたりします。
絵が下手でも構いませんが、「伝える力が優れている」という部分はデザイナーとして求められる点でもあります。
なので下手でも構いませんが、描くということ自体は苦手でも練習したり描く習慣などをつけておく方が良いかなと思います。
デッザンはやっておくと役に立つ
グラフィックデザイナーとして様々な観点から物事を把握し理解する能力といったものも必要になります。そういう部分を鍛える術として「デッサン」というものはとても有意義なものだといえます。
デッサンでは対象をよく観察しスケッチブックなどに描き写していきますが、その過程で行っている内容は実はグラフィックデザイナーにとって役に立つものが多いです。
むしろデッサンして完成した絵そのものの出来よりも、その過程で得られる経験や感覚といったものの方が肝心だとも言えます。
物事を客観的に俯瞰的な位置から見ることで、デザイン全体の把握能力だったりレイアウトなどにも活かるからです。
デッサンも特別上手に描ける必要はありませんが、もちろん上達をする努力や意識といったものを持って行うと良いかなと思います。
まとめ
グラフィックデザイナーとイラストレーターは別物であるというのは、デザインを依頼する側のクライアントの意識次第でもありますが理解しておいて欲しい点ではあります。また自分は絵が下手で描くのが苦手だという方も、上記の内容の通りしっかりとデザインすることの意味というものを理解し実現できるのであれば問題なくデザイナーとしてやっていけるはずです。
ただし描けないからまったく描かなくても良いなということでもなく時にラフやアイデア出しでの際には必要ですし、簡単なイラスト程度などは描けるようにしておくことはデザイナーのひきだしとしても可能であれば用意しておきたいスキルではありますね。
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