はじめに
今回は個人事業者や各企業などが、起業時や新しく事業や製品の展開のために必要なロゴのデザインを依頼する際、事前に知っておいた方が良いなという部分をデザイナー目線でご紹介いたします。
「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」と「ロゴマーク」
よく使われる「ロゴマーク」という言葉は実は和製英語だったりします。
そのため海外ではシンプルに「Logo」とだけ表現され、ロゴマークという言い方自体は実は日本特有のものだと言えます。
そんなロゴですが、本質的な部分では大きく分けて3つの部類に分けることができます。
図柄やマークなどで構成される「シンボルマーク」
シンボルマークはイラストや図形、絵柄や記号といったものなどで構成され、主に会社の理念や込めたい思いなどを抽象的に表現する際に用いられます。
文字で構成される「ロゴタイプ(ワードロゴ)」
ロゴタイプは社名や製品名などの文字を装飾・デザインしたものを指します。シンプルなものから凝ったものなど、表現したい用途に応じてその内容は様々です。
シンボルとロゴタイプを組合わせた「ロゴマーク」
ロゴマークは社名に装飾性のあるオブジェクトを組合わせたもののことを指しますが、基本的にはシンボル+ロゴタイプという認識で良いのかなと思います。
これらは単独で運用される場合もあり、いずれも総じてロゴと呼ばれるものですが、一般的な認識としてはシンボルマークとロゴタイプを合わせたものをロゴ(ロゴデザイン)と認識している方が多いでしょう。
別にどれもロゴはロゴでしょ?と思われる方もいるかもしれませんが、ロゴに限らずそのモノの本質をしっかりと理解しておくというのは大切です。
特にロゴは会社や製品などの顔となる存在になります。
そのロゴについて、依頼する側がある程度の知識を有しているのとそうでないとでは大分変わってくると思いますし、依頼する際にデザイナーに間違った知識で間違った依頼の仕方をしてしまう可能性も無きにしも非ずです。
ロゴデザインに反映させたい内容をまとめる
ロゴデザンをデザイナーに依頼する際どのように依頼すれば、依頼者側がより満足したデザインを得られるのか。
そのためにはデザイナー自身の力量はもちろんですが、依頼するクライアント側でも再度しっかりとロゴデザインに反映させたい情報をまとめておくことも重要です。
もちろんロゴの完成イメージが見えていない場合もあるとは思いますが、ロゴに反映させたい思いは理念などは必ずあるはずなので、まずはそこをできるだけ具体的に挙げ用意をしましょう。
次に、運用するロゴがシンボルマークも必要なのか、あるいはロゴタイプだけで良いのか、それともその両方の組合わせが必要なのかなど。
依頼するロゴのパターンに何が必要なのかなどに関して、このブログの上記で紹介した部分などを参考などにしてみてください。
クラウドソーシングでロゴデザインをコンペ募集する際の注意点
クラウドソーシングサービスを利用し、不特定多数のデザイナーからロゴのデザインを募るコンペ方法は、できるだけコストを抑えつつ様々なデザイン案が得られる機会です。
そのため個人から某有名企業までもが多く利用していますが、まずはここまでご紹介した内容などを参考に、募集する内容をしっかり精査・明記してデザイナーに明確で的確な依頼を投げかる必要があります。
得に注視すべき点はデザイナーへの提案内容文です。
中にはただ「ロゴデザインの提案を募集致します。宜しくお願い致します」というシンプルなものもあったりしますが、これは正直言って時間と労力の無駄になります。
どんな会社でどういった思いを込めて欲しいのか、企業理念やサービスの特徴であったり、ロゴをデザインする上で必要不可欠な情報が明らかに足りていない募集内容はとても残念に感じます。
これは依頼する側の求めているものにもよるのかなとは思いますが、単に見た目だけを重視したもので良いのか、それとも見た目プラスそこに至った経緯も重視するのかの違いにもよります。
例えれば、数学の計算式で解としてはどちらも正解だけど、片一方は途中の計算式はなくいきなり回答、一方は途中の計算式をしっかりと示して回答している、というような違いでしょうか。
どちらも正解ですがそこに至ったプロセスというものを大切にされる方であれば、デザイナー側のそうした意図といったものも同時に見てみることをオススメします。
(個人的にはコンセプトなど伝えないでデザインの提案をすると言うのは、特にロゴデザインに関しては少し怠慢に感じますが。)
また、コンペ途中である程度好みのデザインが見つかれば定期的にお気に入りのチェックなどを積極的に行ったり。
逆に全然思っているようなデザインが集まらないなという場合には今一度募集内容を見返してみましょう。
あるいは追記などでさらに具体的な要望などを加えるなどして良い提案が集まるように工夫などするなど、募集期間終了まで何もしないというのはとても勿体ないです。
また、コンペでは提案内容を「公開」「非公開」にしたり、しっかりと素性のしっかりとした人でないと参加できないようにする「限定参加」といったオプションなどもつけられます。
いずれも別途追加オプションとなるので費用面では追加とはなりますが、より質の高いデザインだけを募りたいといった際には有効な方法でもあります。
一応参考までにお伝えすれば、ロゴデザイン料の設定に関しては20,000円~というのが大体の相場価格になります。
これより高ければより積極的に良いデザインが集まりやすく、逆に安すぎる募集だと良いデザインの募集を期待するのは少し難しくなるケースが多いですね。
中には数千円でロゴの募集なども見かけたりしますが、デザイナー視点でいえばそういった募集への提案といったものは、片手間程度のささっとした感じで制作してしまうケースがほとんどだと思います。
まとめ
ロゴはまさに会社や製品の顔となるもので、CIやVIといったブランディングなどにも深く関わりその中心ともなる要素です。
思っていたのと違うものができてしまった、なんていうことにならないようにデザイナー側にしっかりと明確な提示ができるようにしておくことが大切です。
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