iPad版Illustratorリリース開始
昨年のiPad版Photoshopから遅れること約1年、日本時間の2020年10月20日、ついにAdobeからiPad版Illustratorが正式リリースされました。
ベータ版を経てようやくいったところですが、以前より楽しみにしていたiPad版のイラレ、早速iPad proの方にDLをして触ってみましたので簡単なレビューとしてご紹介したいと思います。
iPad版IllustratorはAdobe CCのコンプリートプランかIllustrator単体を契約している方であればApp Storeから無料でDL&使用可能。それ以外の方は別途、月額1080円(税込)で利用可能。※1ヶ月の無料体験あり
iPadならではの直感的な操作感で作業可能
iPad版Illustratorを起動すると、まずは簡単なクイックツアー形式のガイドがみれるので、チュートリアル的なものとしてこちらはざっと見ておくと良いかなと思います。
クイックツアー後を一通り見た後、実際にいろいろ触ってみた印象としてはiPad版Illustratorではタッチ&ドラッグを多様することでデスクトップ版に比べて直感的な操作が可能になっているのが特徴的というもの。
普段イラレを触っている方であればすぐに色々とできるようになると思います。
私は普段キーボードを使ったショートカットをよく使いますが、このドラッグ操作や専用ショートカットを用いた操作感には自分でもびっくりする位すんなり馴染みました。もちろんキーボード付きのケースを使用すればいつも通りのショートカットでの操作も可能になりますが、それを使うまでもないくらいうまくUIなどの設計がデザインされているように感じます。
オブジェクトの「透明度」「線幅」「重なり順」といったものは選択ツールで選択後、下に現れるショートカットツールからドラッグして各数値を変更可能。この辺もかなり直感的かつスピーディーな作業が可能という印象です。
- ・不透明度
- ・線幅
- ・重なり順
- ・移動
- ・ロック
- ・グループ化(解除)
- ・複製
- ・削除
となっていおり、いずれも使い勝手は良いなと感じました。
※文字ツールを選択時にはフォントサイズやカーニングもショートカットツールで変更可能。
ただオブジェクトのサイズによっては、回転させる支点ポイントがこのショートカットツールで隠れてしまうこともあったので、任意でこのツールを非表示にできても良いかなと感じたり。
Adobe Fontsでインストールしているフォントはそのまま利用が可能です。
※https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/repeat-patterns.htmlより抜粋
さらに、iPad版イラレではリピートメニュー内の「ラジアル、グリッド、ミラー」を選択することで、瞬時に繰り返しのリピートオブジェクを形成することができます。こちらも直感的なUIで手軽に様々なビジュアルを生み出せるので、パターンやテキスタイルなどのデザインを制作するのに適しているのかなと感じます。
iPad版Illustratorのオススメポイント
iPad版Illustratorの率直な魅力としてはやはり「直感的でスムーズな操作感」というものがあると思います。
デザイナー毎に普段イラレで行っている作業内容は様々だと思うので一概には言えませんが、個人的に感じた現状のiPad版イラレで行える、あるいはオススメな使い道としては以下のものがあります。
・ロゴデザイン
・ポストカードデザイン
・パターン、テキスタイルのデザイン
・ベクターアート制作
・トレース
などです。
iPad版イラレではまだ効果メニューはなく、ドロップシャドウやワープ機能など割とよく使う機能はまだ実装されていません。そのためチラシやポスターといった多様性のある成果物の制作に対応しきれない部分もでてくるかなと思います。ただパスで構成されるベクターデータの制作に関してはシンプルな機能で十分に機能しますので、シンプルなロゴであったりポストカードといったものは全然制作は可能です。
iPad版Illustratorは想像した以上にイラレだった
個人的にiPad版のPhotoshopリリース時には基本的な作業しかできず、望んでいたような機能はまだ実装されず仕事面で使用するには大分役不足といった感じで少しガッカリしました。
今回リリースされたiPad版Illustratorもまだまだ機能面で言えば物足りないものの、すでに仕事上でも活躍できるポテンシャルはあるなと感じたというのが素直な感想です。※iPad版Photoshopでは魅力的なフィルタ系ツールが使えないというのが痛い!
ポストカードやロゴなど、シンプルな構成だけど魅力的なベクターアートなどは十分に作成可能な状態ではあると思います。
強力なベクターソフトであもあり多くのデザインの現場でも利用されているIllustratorがiPad専用にリリースされたことで、これまで代用していたベクター系のサードアプリを使う機会がなくなるきもしなくはないです。
個人的にこれまでVectornatorというソフトを使用していましたが、今後はiPad版イラレをメインで使う機会が多くなりそうです。(とはいえVectornatorは完全無料で利用できIllustratorやCreative CC への書出も可能なので、プライベートで使う分には全然オススメです)
まだリリースされたばかりで実装されていない機能なども多く、アプリ自体も作業途中でエラー落ちしてしまうということもあったりしたのでこれからといった感じはあります。
Pad版イラレもフォトショもそうですが大きな利点として場所を問わず作業ができるというものがあります。それを考えればiPad版だけですべての作業を完結させようとせずに、デスクトップ版とうまく併用して全体の作業をよりスピーディかつ自由な環境で行うという使い方が理想かなと感じます。
そう考えればiPad版のIllustratorはやはり魅力だなと感じますし、今後のさらなるアップデートなど期待が膨らみます。
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